2017年09月21日

台風被害 倒木の立て起こし




先日の台風 みなさまのお宅は大丈夫でしたでしょうか


今回は台風による突風で 大きく傾いてしまった大木です

これの立て起こしのご依頼を頂きました



ちょっとわかりにくいので 基準線をつけると





建物と同じ垂直線(青)

に対して

傾いてしまった木(ピンク)

側面 倒れ具合がよくわかります




こういったもこもことした常緑樹、総称コニファーは 

根の張りがあまり強くない割に大木化するものが多いので

強い風により傾いてしまう事があります


では 立て起こしに入ります


こんな作戦で行きましょう


今回は駐車場内でスペースがあるので、トラックが使えます

トラックの重量が使えれば話が早いです



① 木の幹に重量物用のベルトを結び付け、
  巻取り機械に連結

モコモコの枝の中に体を突っ込んで
樹幹にベルトを縛ります
尖った葉っぱと枝が痛いです。
細かい枯葉が襟から首に入ってとてもカユいです


② 巻取り機械をトラックに連結


ベルトのたるみを取ってピンと張ったら
立て起こし開始です

③ 巻取り機械で、ベルトを巻き取ることにより
 倒れていた木を起こす

ガリガリーっと手で巻き取ります
手動かよ!! と思われるかもしれませんが
この機械、滑車の原理で 手の力を 
1.5トンにまで増幅する
スゴイヤツなのです

インターネットで身近な1.5トンを調べると
お米200袋だそうです
それを腕力で引っ張り回す事を可能にする機械。
スゴイですね

ほぼ垂直まで立て起こし出来ました

④ 微調整後、支柱にて固定

今回は台風の緊急対応なので、
土木用の鉄の支柱を使いました。

樹木の高さが、風に耐える限界を超えているので
後日 高さを2/3に切り落とし、
全体にあらためて支柱を掛ける。
ということになりました

他にも敷地内で何本か木が風で倒れています


「木を植えてもう何十年にもなるけど、
台風が来てもこんなになること無かったけどなあ。。」

と施主様が仰っていました。



そういえば

最近 名古屋市近郊のゴルフ場では
コース設計時に想定していない強風が
吹くようになって困っている

という、
関係者の方のお言葉をふと思い出しました

近年の住宅地開発により山が削られ、
強い風をやわらげてくれていた木々が
減っているからではないか、、と
仰っていました



今回もそうだとははっきりと言えませんが


開発と自然再生保存。
一概には言えない大きなテーマです







  


Posted by ツバさん at 09:00 │コメントをする・見る(2)お庭 外構